食べるものがあって、仕事をすることができて、家に帰れば家族がいる。
一見すると、これはごく当たり前のことのように思えます。
しかし、これは決して当たり前ではないということ。
このことを、しっかり自覚してくださいという大切なお話を先日、福厳寺住職よりいただきました。
私たちは、とても便利な世の中に生きているので、便利なことが当たり前だと捉えています。
仕事のことをひとつとっても、そうです。
仕事があって当たり前、空調設備が付いていて当たり前、お給料をいただいて当たり前…
これが普通だと思ってしまうと、何も気づけなくなっていきます。
まず初めに、周りが見えなくなります。
そして独りよがりな言動をしたり、自分勝手な行動が多くなります。
すると、途端に周りの人たちへの感謝の気持ちを持てなくなります。
仕事ひとつとっても、本来は周りの方たちがいてくださるからこそ、自分がここで仕事をすることができるのです。
働いているのではなく、働かせていただいているのです。
一歩間違えれば、どんどん自分勝手な方向へ進んでしまいます。
だからそんなときは、ちょっと立ち止まって、原点に返るようにしています。
なぜ自分は、ここにいさせていただいているのだろうか。
何度も何度も振り返り、じっくり考えます。
すると、不思議と凝り固まっていたものが穏やかに、ゆっくりと解けていくのを感じます。
「当たり前」と思うことの恐ろしさ。
心に刻んでおきたいと思います。
【福厳寺職員の気づきより】