1年の計は、前年の暮れにある

早いもので、今年ももう、残すところあと2ヶ月をきりました。

昔から「一年の計は元旦にあり」と言われますが、私は最近、「一年の計は前年の暮れにある」と思うようになりました。

なぜなら、一年の初めをきちんと迎え、初心を起こす余裕がある人というのは、前年の暮れまでに、新年を迎える準備をしてきた人だからです。

ですから年末に向けての過ごし方は、年始の過ごし方以上に大きな意味を持つのです。

 

この地球上の生き物のの中で、「時間」という概念は人間しか持ちません。

年末や新年などという節目も、人間しか持ちません。

人間だけが、夢や目標を設定して人生の計画をたてたり、誕生日や記念日を設けて、存在や行動を意識づけたりします。

年末年始という節目も、人間が作り出した概念ですが、実はこうした概念が、人間に大いなる救いをもたらすのです。

その救いとは何か。

「生まれ変わり」という救いです。

私たちは、一年に始まりと終わりがあることによって、旧年中にどんな失敗や後悔をしたとしても、新しい年に新たな人生を生きることができる。すなわち、生まれ変わることができるのです。

もちろん、その気になれば、誕生日やその他の節目でも、同じような意味を持たせて奮起することは可能です。

けれども、やはりあの年末年始の地球の大気には、全世界の人類が一斉に、新しき年に向けて気持ちを一新しようとする、強力なエネルギーが充満します。

もし、毎年このような好機に乗じて前進することが出来るならば、人は年を重ねるごとに成長し、人生はより充実感に満ちたものになるはずなのです。

ただし、いくら年末年始にそのような力があるとしても、やはり私たち自身に、生まれ変わろうとする強い覚悟がなければ、新しい自分を生きることなどできません。私たちが過去に身につけてきた「悪しき習慣」はそれはそれは強力で、深く、骨の髄まで染みこんでいます。中途半端な年始の初心など、正月3日目にはどこかへ消えてしまい、相変わらずの怠惰な自分が復活してきます。

「生まれ変わる」には覚悟がいるのです。

「カニ」という生き物がいます。

海底を生息の場とする、あの甲殻類のカニです。

皮膚が骨の代わりをしているカニは、「脱皮」を繰り返して成長していくのですが、その脱皮たるや、中途半端なものではありません。

彼らの脱皮は、外側の殻だけではなく、触覚から胃や腸といった内臓まで脱ぎ替えるという徹底ぶりです。

当然、内蔵まで脱ぎ捨てる脱皮ですから、命がけです。脱皮に失敗して命を落とすこともあるし、脱皮が上手くいかなかったことで後遺症が残り、それが原因して命を落とすことも少なくありません。

生物にとって成長とは、まさに命がけのイベントなのです。
命がけの脱皮を繰り返してはじめて、次の高みに上がることができる。

人間も同じです。

人間の場合、成長するのは肉体だけではありません。精神の脱皮があってはじめて、人間が成長したと言えます。

肉体の脱皮は、日々の新陳代謝によって行われています。
そして、20歳前後をピークに成長が止まり、それ以降は死に向かって衰えていきます。

 

精神の脱皮は、様々な経験やチャレンジによってなされます。
しかし、肉体とは違い、精神の成長には衰えがありません。
精神は、年を取ればとるほど、進化させることができるのです。

ただし、精神の成長には条件があります。その条件とは何か。

それは、自己反省です。

自己反省がなされた精神だけが、「過去の自分」「小さな自分」への執着を手放して、次の器を手に入れることができるのです。

けれども、煩悩の塊である私たち人間にとって、他人を見て批判をすることは容易でも、自分を顧みて反省することは、簡単ではありません。

幸い福厳寺には、年末にかけてその難しき自己反省に、強力な力添えをしてくれる伝統行事があります。

その伝統行事とは何か。

福厳寺あきば大祭です。

福厳寺あきば大祭は、秋葉三尺坊の神前で祈祷を受け、秋葉三尺坊の火を渡って心身魂を清める儀式です。
積もり積もった己の三毒(貪り、怒り、愚かさ)を焼き払い、自分に素直さと自己反省をもたらす修行です。

今年の開催は、12月10日(日)。どうぞ、ご家族や友人を誘ってご参拝下さい。
そして、新しき新年に、新しき人生を歩むための原点としていただければ幸いです。

大愚元勝 合掌

あきば大祭WEB http://akiba-taisai.fukugonji.com/

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