命の大切さを心に刻んだ日

お寺にいると、想像もしないことに突然出会います。

ついこの間のことです。89歳で、福厳寺の受付に、ときどき元気な笑顔を見せて
くださっていたOさん。Oさんが突然、亡くなられたのです。

この間、お盆のお施餓鬼法要のときに、お元気そうな笑顔でお話したばかりでした。

「毎日暑くてねぇ・・・」
「お身体大切にしてくださいね。またお話聞かせてくださいね」

と交わした言葉が最後になってしまいました。

Oさんはご主人が早くに亡くなられて、お話する相手がいなくて寂しいときも気丈に
振る舞い、毎日ご主人のことを大切に想って過ごしていらっしゃいました。ご自分で
大切に育てられたカボチャやジャガイモを食べきれないからと福厳寺へたくさん持って
きてくださったり、お話をしに福厳寺へこられることもありました。

とても穏やかな優しい方で、福厳寺職員でカボチャをいただいたとき、まるでOさん
ご自身が滲み出ているかのような優しい甘さと香りに感動したのを覚えています。

私も福厳寺へきて、住職より命の大切さについてお話を伺うことがよくあります。
命は本当に大切だと心に刻もうと思いますが、何事も起こらない日常につい意識が
ぶれてしまいます。

けれど、本当に大切な人の死を目の当たりにすると、痛いくらい感じます。

「明日、自分自身も目の前の大切な人も、生きている保証は必ずしもありません」

Oさんに、改めて大切なことを教えていただいた気がします。

福厳寺職員一同、ご冥福をお祈りいたします。

[福厳寺職員の気づきより]