住職就任のご挨拶

この度住職に就任しました、高瀬元勝です。福厳寺は、室町時代末期から540年続く東海地方屈指の禅寺です。この度第31世住職の任を受け、身の引き締まる思いです。

 

私は、先代、武三和尚の次男として幼少期から福厳寺の境内で育ちました。恥ずかしながらかつては、厳しい師匠や堅苦しいしきたり、周囲から「お寺の子」と噂される重圧を嫌い、「僧侶にはなるものか」と海外に飛び出したこともありました。大学卒業後、大本山総持寺にて業を修めるも、依然として「僧侶」になる腹が定まらず、起業して会社を興しました。多大な借金をしてスタートした創業期には、地の底を這いつくばるような苦節をなめた時期もありましたが、お客様と優秀な社員達に恵まれたお陰で、数年後に事業は大きく伸びて軌道に乗りました。

 

私の人生の根底には、いつも仏教の教えがありました。迷いと暗闇の中、最後に私を救ってくれたのは、幼少期から師匠である武三和尚に叩き込まれた仏教の教え、禅の教えでした。

 

後任住職として、原点としたい教えが2つあります。

 

1つには「厳しさ」です。

 

武三和尚は大変厳しい師匠でした。厳しさとは一貫性です。その時の個人的感情や他人の噂話、社会状況の変化などに振り回され、影響されていたのでは、伝統や歴史を守ることはできません。武三和尚は一貫した姿勢を持って、その住職人生の40年を休むことなく福厳寺の興隆のために尽力されました。おかげで、伊勢湾台風でボロボロだった境内は一新され、うっそうとした暗い山寺であった福厳寺は、明るく開かれたお寺に生まれ変わりました。

 

2つには、勇猛心(ゆうもうしん)と柔軟心(にゅうなんしん)です。

 

お寺は本来、葬儀や法事など、亡くなった人の慰霊と鎮魂のためだけにあるわけではありません。仏教を学び、啓発を受けて生き方を整える場です。仏教とは、お釈迦様の悟りへの道筋であり、人間が幸せに生きるための知恵です。その教えを分かりやすく説き、人々が自覚をもって幸せに生きることができるよう、導くのが僧侶の役割です。

 

福厳寺は今後、従来どおり各家のご先祖を守りつつ、生き方、働き方を学ぶ寺として、人々の心の拠り所となるよう、歩みを進めて参ります。

 

新住職としてすべてが初めての経験です。困難や障害もありましょうが、そんな時こそ、勇猛心(勇敢に立ち向かう姿勢)と、柔軟心(柔軟に対応する姿勢)を忘れることなく、誠心誠意、仏教の伝導と福厳寺の興隆に尽力する覚悟です。会員の皆様にとって、精神の拠り所となる寺にしていきます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

 

合掌 福厳寺31世住職 高瀬元勝

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住職退任のご挨拶

行事報告:福厳寺秋葉大祭(平成26年12月14日)

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